NFTと短絡的ブロックチェーン用途

Leona Hioki (日置 玲於奈 )
5 min readJan 12, 2019

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昨今、ブロックチェーンが幻滅フェーズに入ったという感覚から、業界からはICOより証券のブロックチェーン化やDappsゲームを推す声が多いです。簡単に言えば明確な用途を求め始めたということだと解釈しています。

最近リリースされたゲーム My Crypto Heroesは僕の周りではかなり流行していて、やはり知っている人が持っていたゲームのデータを買った人を見れたりするのはリアリティがありますね。

Non Fungible Token (NFT)というのは非代替トークンと訳される2017年末の発明であり、それまでのブロックチェーン上の資産はFungible Token、つまりは仮想通貨でした。Non Fungible Tokenは1つ1つが区別できるトークンですので、通貨性がなく、権利証や会員権などの個別的な資産を表すことができます。ブロックチェーンゲームではゲームアイテム・キャラクターがNFTで表現され、それが取引所で売買されます。

このNFTは少々ICOトークンなどの仮想通貨利用と大きく違いがあることが本文のテーマです。NFTが中心になったとき、ブロックチェーンのエコシステムはどう変わるでしょうか?

NFTというのは現状そんなに送信するものではないです。持っているだけで、権利の存在を保証できるため、「データを見るだけ」でアプリケーションが作れます。例えば、NFTを持っていたらログイン出来てデータが見れるウェブサイトというのは次のようなフローで作れます。

これは性能が高くないブロックチェーンでも安全性が高ければ大いに利用できることを意味します。おおよそ安全性(分散性)を下げることで性能を達成するブロックチェーンが多い中、ピッタリとBTCのチェーンから存在する権利の保証の用途にあてはまることが出来るのです。

NFTが保証する権利の内容ももちろんスマートコントラクトの実行で更新することができます。そして、これらは現実の資産と一対一対応しているので、価格の評価がしやすいです。ゲームのキャラクターになら1万円が限度かな?とか各々基準があると思います。

自分の権利を保存し、国境関係なくブロックチェーンで保証が確認できるという、リアリティのある用途が作れます。

#Defi

Defiとは新しい造語であり、金融Dappsだと思えばよいです。Etherのショートポジションを作ったり、借金もブロックチェーンで作れます。これらの利率の差分を利用して利益を生むDefiトレードはもう始まっています。

しかしながら、ブロックチェーンのアカウントには匿名であることを思い出して頂けると、身元が分かっていなければ借金をつくったり信用取引を行うことが難しいと想像できると思います。なぜなら、マイナス残高のアカウントなど放棄してしまえば良いからです。

では逆に、担保を同価値のEtherやUSDTなどのユーティリティにしてまうと、別に直接変換すればよいので借金をする用途は金利に限られてしまい、意味が大きく薄れていまします。

今回の話の本番はここにあります。
EtherやUSDは基本的に動かすことしか使いようがない「通貨」であるため、担保にできませんでした。しかしながら、動かさなくても使いようがあるものは担保にすることが出来るでしょう。

それは、現実の会社の株主総会で議決権の確認に使われる証券トークンでもよいですし、チェーン外のプレイで参照されるゲームアセットになるかもしれません。

その最低価格が算出できれば担保としてロックし、同価値のEther等を貸し出すことができます。もし、返済できなければその担保の資産をスマートコントラクトの実行によって差し押さえるのです。大きなメリットとして、担保としている資産はチェーン外で権利として使い続けることができます。NFTを担保にしながら、そのNFTによって会員制のサイトでデータを受け取るなどです。

この担保に出来るものはチェーン内での利用が少なく、チェーン外で頻繁に利用されるものでしょう。議決権の参照に使う証券トークン、ある組織運営の投票数決定に使われるガバナンストークン、会員権として利用されるNFTなどです。

個人的な予想として、明確な用途になりやすく、明確な担保になりえるNFTがつくるエコノミーはリアリティを求める今のブロックチェーン業界とシナジーが生まれやすいと考えています。

Author

極度妄想(しなさい)

名前とは裏腹に、現実利用のプロトコルを法的な確認の下行う傾向があります。リアリストというよりはリアリティ番組が好きなタイプです。

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