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各エコシステムとその設計思想
17 min readApr 19, 2019
新しい分散サービスを作る人やそこに投資を行う人にとって、色々なシステムの設計思想を理解すると、役に立つかは分かりませんが面白いかも知れません。
ブロックチェーンが初めて生まれてから10年、分散プロトコルBFTが発案されてから30年近くが経とうとしています。その間に行われた熱心な議論、そして生まれてたエコシステムの根底にある設計思想についてまとめたいと思います。
各エコシステム・暗号通貨について列挙する前に、一度6つの文脈を整理します。
①分散プロトコルBFT [BFT]
ビザンチン将軍問題が1982年のレスリー・ランポートの論文によって発表され、信用のデジタルな創造(トラストレス)の難しさが提起されました。
論文内で、33%の攻撃者つまり33%攻撃まで許容するプロトコルBFTと、99.9%まで攻撃者を排除できる99% Fault Tolerance アルゴリズムが提案されています。
この論文では暗号や電子署名という文脈は一切なく、99%FTでは本人確認の方法は具体的に指定されていませんでした。
以後、これに影響を受けているものを[BFT]のタグを付与します。
②サイファーパンク宣言 [サイファーパンク]
インターネットアナーキズムの文脈の一種とも捉えられるこの文書は、暗号のインターネットでの活用により、あらゆる高いプライバシーを市民に与えることで、政府・大企業といった権力からの干渉を受けない権利を与えるというものです。